騎手に「雨(重・不良馬場)男」はいるのでしょうか?
一昔前ならF1ドライバーの中嶋悟。「雨の中嶋」と言われ、ウェットコンディションでのレース成績が著しく良かったことで知られています。ウェットコンディションになると、ハンドルが軽くなるので腕力が弱い自分に有利になるからだそうです。
で、騎手にも「雨の◯◯」はいるのでしょうか?また逆に、雨に弱い騎手はいるんでしょうか?JRAのデータを基に調べてみました。
過去3年のレースを全馬場と重・不良馬場との勝率・連対率・複勝率の差異を調べてみました。出場レース数に差があったりするので、数字だけでは判断出来ない要素もあるかと思います。また、そもそも乗る馬自身が得意・不得意なのでは….という気もしますが、参考までに。
雨(重・不良)男はこのジョッキーだ!
結論から言うと、雨男は武豊騎手のようです。
過去3年の実績は、全体で(左から着別度数→勝率→連対率→複勝率)
281- 234- 191-1352/2058 | 13.70% | 25.00% | 34.30% |
ですが、
重・不良馬場となると
45- 26- 19-156/246 | 18.30% | 28.90% | 36.60% |
となり、勝率、連対率、複勝率ともにアップします。勝率・連対率ともに4%近くアップしています。3つともアップするのは、主要ジョッキー(過去3年の勝ち数TOP30)で武豊騎手だけです。
また勝率自体は、ほぼ横ばいですが、連対率、複勝率がアップしている柴山雄一騎手にも注目です。勝ち数でいくと24位の柴山雄一騎手ですが、
144- 154- 144-1641/2083 | 6.90% | 14.30% | 21.20% |
重・不良馬場となると
15- 21- 13-157/206 | 7.30% | 17.50% | 23.80% |
連対率が3%近くアップしていることがわかります。複勝率も2.6%上昇します。
ということで、「雨の武」でした。
重・不良馬場が不得意な騎手は?
では逆に、重・不良馬場となると、勝率・連対率・複勝率が落ちる騎手はいるのでしょうか?雨で勝率・連対率・複勝率がアップするジョッキーがいるということは、下がるジョッキーがいるということ..
まずは
外国人ジョッキー勢です。
こちらはそもそもの重・不良馬場での出場数が他の日本人ジョッキーよりも少ないので、そのへんを考慮しなくてはいけないですが、かなり落ちます。
まずはCルメール騎手。
160- 125- 104- 490/ 879 | 18.20% | 32.40% | 44.30% |
↓重・不良馬場になると
10- 10- 13- 45/ 78 | 12.80% | 25.60% | 42.30% |
勝率が5.4%、連対率では6%以上落ちています。
Mデムーロ騎手は
143- 118- 83- 529/ 873 | 16.40% | 29.90% | 39.40% |
↓重・不良馬場になると
13- 14- 14- 72/113 | 11.50% | 23.90% | 36.30% |
と勝率が4.9%、連対率が6%と落ちています。
で、数値的に最も落ち幅が大きのが横山典弘騎手です。横山典弘騎手は
227- 193- 190-1290/1900 | 11.90% | 22.10% | 32.10% |
↓重・不良馬場になると
17- 4- 9-127/157 | 10.80% | 13.40% | 19.10% |
と、勝率は1%程度の落ち込みですが、複勝率が-8.7%、連対率は-13%近く落ち込みます。ゲートを出て、「あ、無理だな」と思ったら、無理せず流れに乗るだけに留めるのでしょうか?馬に優しい騎乗?
とは言え、この落ち込み数値を観ると、重・不良馬場の際は、馬券的には割引したほうが良いかも。
ちなみに柴田善臣騎手も同様に落ち込みが大きく、
141- 127- 172-1394/1834 | 7.70% | 14.60% | 24.00% |
↓重・不良馬場になると
13- 19- 18-290/340 | 3.80% | 9.40% | 14.70% |
連対率が4%、複勝率が10%近く落ちています。
まとめ
とまあ、数値上のざっくりした検証なので、言い切ることは出来ませんが、大きな傾向としては、
重・不良馬場に強いのは
- 武豊騎手
- 柴山雄一騎手
逆に重・不良馬場に弱いのは
- 横山典弘騎手
- 柴田善臣騎手
- Mデムーロ騎手
- Cルメール騎手
といえるでしょう。ご参考までに。
では!