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実家に来た保護老犬マッチの話

みなさん、ごきげんよう。

今日は馬から離れて、マッチという名の犬の話です。

マッチはワタクシの実家で飼われていた老いた保護犬で
彼が実家に来たのは約1年ちょっと前。

ワタクシの実家では、それまで計3頭の犬(と2匹の猫)を飼っていました。
その犬たちも病気や老衰で亡くなり、別れが悲しすぎるのでもう飼わない!
なんて時期もありましたが、しばらくすると、やっぱり…ということになり、
それまでの3頭もペットショップの売れ残り(と捨て猫)だったのですが、
今回は保護犬もいいよねって話になったらしく、
実家にほど近い保護犬シェルター「わんだん邸」さんに何度か足を運んだそうです。

そこで出会ったのが「マッチ」でした。

ただ、もともとマッチは引き取る予定はなく、
何度か、わんだん邸さんを訪れ、引き取る犬を「カズシ」に決め、
「では失礼します…」と
わんだん邸を出る際に、
「はい、じゃあワタクシも失礼を…」
と一緒に付いて帰ろうとしたのが「マッチ」でした。
まあ、マッチは散歩に行きたかっただけなのかもしれませんけどね(笑

マッチは、フィラリアにかかっていて、そう長く生きることは出来ないことがわかっていました。
フィラリアとは蚊を媒介し、肺動脈や心臓に寄生する糸状の虫で、感染すると心臓や肺に大きな影響を及ぼします。
そもそも10歳をとうに過ぎたであろうこともあり、そもそも先が長くはない上に、フィラリアが回復する見込みもほとんどゼロ。

家に帰ってから、そんな「マッチ」のことが気になった仕方なかった父が、カズシとともにマッチも引き取ることに決めたのです。
そんなんで、マッチを引き取ることに、
どうか…
みたいな意見もなかったわけではないようでしたが、

次の日には連絡をし、見事に家族の一員となったわけです。
爺さんと爺さんの目が会い、お互い惹かれ合ったのでしょうか…

ちょっと話は変わりますが、なぜ「マッチ」かと言うと、町田で保護をされたから「マッチ」とのことです(笑
町田付近でフラフラと歩いているところを親切な方が警察に届け、
保健所にいるところを引き取られ、縁があり、わんだん邸にいたみたい。

渋い、渋すぎる、名前も見た目も。
昭和の芳しい香りがプンプンする名前、そしてそのああ雑種ですねっていう容姿。

そもそも町田に住んでいたのか、
ウロウロと歩いたうちに町田にたどり着いただけなのか
どうかもわからない。
捨てられたのか、
脱走したなのかは誰も知りません。

十数年、どこでどんな生活をしていたのか。
知っているのは彼だけ。
いや、そもそも君の本当の名は…

ただ明らかに生まれながらの野良犬ではなく、
おすわりもするし、人懐っこいというか、警戒心が薄く、何しても怒らない達観した感もある犬でした。

実家では屋内で飼われていたのですが、
窓の外を眺めるマッチを見るたびに、
この子は10数年、何をしていたんだろうか?と思いを馳せるのも
侘び寂びがあり、とても癒やされておりました。

そんな優しさからも、わんだん邸さんにいた頃から人気者だったマッチ。
わんだん邸さんに里帰りをすれば何人も会いに来てくれる人気者だったマッチ。
また、ワタクシのSNSを通じて、多くの方にコメントをいただくほどのマッチ。

3ヶ月ほど前に、前庭疾患になり頭が斜めにしか向けなくなってしまい 何とか頑張っていたのですが、
追い打ちをかけるように、フィラリアが原因だったのか、内臓が弱り始め体に急激に水が溜まりはじめました。

医者には今週がヤマと言われ薬を処方され、
ときには体内から水を管で抜くために看護婦さんに抱っこされたまま一時間ジッと
大人しくしているマッチでしたが、症状が改善することはありませんでした。

ただ、多くの方からの思いが通じたのか、
花見も出来、この3ヶ月、生き永らえることができました。
本当にありがとうございました。

そんなマッチですが、
本日、6/11 0:26、
静かに息を引き取りました。

最期は大好きだった(?)
ウロウロと歩くことも
ご飯を食べることも、
窓の外を眺めることも出来ず
布団で寝ころんでいるだけの数日。
充分に頑張ったかと思います。

1年ちょっとと短い期間でしたが、それもまた彼らしい。

彼と出会えて本当に良かったと家族一同、感謝しています。
また、わんだん邸さんや、多くのファンの皆様にも感謝申し上げます。

本当にありがとうございました。

そして何より、あのとき付いてきれくれてありがとう。
家に来てくれてありがとう、マッチ。
またね、また会いましょう。

わんだん邸さんのHP
https://www.wandantei.com/